財務課で資金管理や債権管理を担当していた。
仕事は順調だった。
これといったトラブルもなく、職場の人間関係は良好だった。
最初の異変は、1月の中頃だっただろうか。
胃痛で食欲がなくなり、痛みで目覚めることが多くなった。
しばらくすると、食べ物を受け付けなくなった。
食べると嘔吐。
繰り返す嘔吐は、本当に苦しかった。
体重が減り、体調不良による欠勤がふえた。
今思えば、このときしっかり休養すべきだったのかもしれない。すでにうつの症状が出ていたのか、当時の自分の頭の中には「休む」という選択肢が存在せず、取りつかれたように出勤しようともがいていた。
体調不良をおして通勤電車に乗っても、職場までたどり着けず途中下車。気分が悪くなり、つり革につかまっていても、足元がふわふわと浮き上がったように感じる。
電車内で倒れては、他人に迷惑がかかるという理性のようなものが働き、途中下車してホームのベンチへ。
朝の通勤電車でこれを繰り返す。
当然、始業時間には間に合わず、遅刻、もしくは欠勤となるのだが、それでも職場へ行かなければならないと考えていた。
自分が出勤しなければ、誰かに迷惑がかかる。自分がやらなければ、仕事が滞る。
そう思っていた。
疲れた時、体調が思わしくない時、そんな時は休めばいいのだが、当時の自分にその考えが浮かばなかった。
自分の業務を遂行することは、社会人として当然のことである。
が、悲しいかな、自分ひとりが欠けたぐらいでは、会社はびくともしない。
ひとりが休んでも、会社は回り続けるのだ。
とはいえ、胃痛と嘔吐はつらいので、病院へいくこととなった。
...つづく。
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